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[相続発生後の手続き]

法定相続情報一覧図とは?戸籍一式の代わりに使える場面・取得方法・注意点を司法書士が解説

  • 投稿:2026年05月23日
法定相続情報一覧図とは?戸籍一式の代わりに使える場面・取得方法・注意点を司法書士が解説

法定相続情報一覧図とは、戸籍をもとに相続関係を一覧にまとめ、法務局が認証する書類です。相続登記や預金解約などで戸籍一式の代わりに使える場面がありますが、取得には戸籍収集や一覧図の作成が必要です。使える手続き・取得方法・注意点を司法書士が解説します。

相続手続きで、同じ戸籍を何度も出し直していませんか

相続手続きでは、同じ戸籍一式を何度も提出する必要があり、それが手続き全体の遅れる原因になることがあります。

法定相続情報一覧図を取得しておくと、戸籍の代わりとして複数の手続きを同時に進めることができ、相続手続きの時間と手間を大きく減らせます。

実際に、次のような場面で効果を発揮します。

  • 銀行に戸籍の原本を提出したら返却まで2週間かかり、その間、別の金融機関や法務局の手続きが一切進められなくなった
  • 亡くなった方の出生まで遡ったら戸籍が10通以上になり、管理するだけで一苦労
  • 相続登記・預金解約・相続税申告を同時に進めたいが、戸籍が1セットしかなく順番待ちが続いている
  • 平日に仕事を休んで窓口に行ったのに、「戸籍が1通足りない」と手続きを断られた

このコラムでは、法定相続情報一覧図とは何か、取得方法・必要書類・使える場面・注意点・自分で申出できるかどうかを、司法書士が解説します。

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まず「何ができるか」だけ確認したい方へ

何か
戸籍をもとに相続関係を一覧にまとめた、法務局が認証する公的証明書
費用
法務局への申出・写しの交付は無料(戸籍取得費用・郵送費は別途)
有効期限
法務局上の有効期限はなし。ただし提出先によっては「発行から3か月〜6か月以内」のものを求められる場合あり
使える場面
相続登記・預金払戻し・相続税申告・年金手続きなど
申出先
被相続人の本籍地・最後の住所地、申出人の住所地、相続不動産所在地などを管轄する法務局

法定相続情報一覧図とは

法定相続情報一覧図とは、亡くなった方と相続人の関係を、戸籍をもとに一覧図としてまとめた書類です。

申出人(相続人)が作成した一覧図を法務局に提出し、法務局が戸籍の内容と照合したうえで、認証文付きの写しを交付します。

簡単にいうと、分厚い戸籍の束を毎回提出する代わりに、相続関係をA4用紙1枚程度に整理して証明できる書類です。

平成29年5月から運用が始まり、現在では相続登記・金融機関・税務署など、幅広い手続きで戸籍の代替書類として認められています。

戸籍一式と何が違うのか

戸籍一式法定相続情報一覧図
証明力原本。記録そのもの法務局認証の写し
通数基本的に1セット何枚でも無料取得可
手続きごとの提出提出・返却を繰り返す必要がある複数の手続きに同時使用できる
費用1通450〜750円程度(役所による)無料
取得の手間複数市区町村への請求が必要法務局への申出1回
戸籍一式は原本の束を提出・返却する必要がある一方、法定相続情報一覧図は法務局認証の一覧図として複数の相続手続きに同時利用しやすいことを比較した図

ここで、ひとつ重要なことを押さえておいてください。

この制度は「戸籍を集めなくてよくなる制度」ではありません。一度集めた戸籍を、その後の手続きで何度も出し直さなくて済むようにする制度です。

法定相続情報一覧図を取得するためには、最初に戸籍一式を正確に揃える必要があります。戸籍が1通でも不足している状態では、申出自体ができません。

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法定相続情報一覧図は取得すべきか

次のいずれかに当てはまる場合は、取得しておくことをおすすめします。

  • 金融機関の口座が2つ以上ある
  • 相続登記と預金解約を同時に進めたい
  • 証券会社・保険会社・年金事務所など、窓口が複数にわたる
  • 相続税申告も予定している
  • 兄弟姉妹相続などで戸籍の量が多い
  • 手続きをできるだけ早く、並行して終わらせたい

これらに該当する場合、戸籍の原本を使い回す方法では、各窓口の返却待ちで手続きが順番待ちになり、全体で数週間以上遅れることがあります

一方、手続き先が1か所だけで戸籍の提出・返却でスムーズに進められる場合は、必ずしも取得しなくてよいケースもあります。

取得方法:5つのステップ

法定相続情報一覧図を取得するまでの流れとして、戸籍などを集める、一覧図を作成する、法務局へ申出する、法務局が確認する、認証文付きの写しを受け取るという5ステップを示した図

ステップ1 戸籍などの必要書類を集める

申出に必要な主な書類は以下のとおりです。

  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍一式(謄本・除籍謄本・改製原戸籍)
  • 亡くなった方の住民票の除票
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 申出人の本人確認書類
  • 法定相続情報一覧図(申出人が作成して提出するもの)

特に注意が必要なのは、亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍です。最後の戸籍だけでは足りません。転籍・婚姻・法律改正(改製)などで戸籍が複数に分かれている場合は、出生時点まで遡って揃える必要があります。また、兄弟姉妹が相続人になるケースでは、父母の出生から死亡までの戸籍が必要になることもあります。ここで不足があると、法務局で補正になることがあります。

ステップ2 法定相続情報一覧図を作成する

法務局のウェブサイトでひな形(エクセル等)が公開されています。亡くなった方を中心に、相続人全員の氏名・生年月日・続柄などを図式化したものを作成して提出します。

記載には一定のルールがあり、続柄の書き方・フォント・記載位置などについて細かい決まりがあります。1か所でも誤りがあると、法務局から補正(やり直し)を求められます。

法定相続情報一覧図は、申出人側で作成して法務局に提出するものです。法務局が一から作成してくれるわけではありません。

ステップ3 申出書を作成して法務局へ提出する

申出先は、次のいずれかの地域を管轄する法務局です。

  • 亡くなった方の本籍地
  • 亡くなった方の最後の住所地
  • 申出人(相続人)の住所地
  • 相続する不動産の所在地

窓口への持参のほか、郵送での申出も可能です。司法書士などの代理人による申出もできます。

写しの枚数は申出時に指定でき、何枚でも無料で取得できます。手続き先の数に合わせて少し多めに申請しておくと、後から追加請求する手間を省けます。

ステップ4 法務局が戸籍と照合する

申出書と一覧図・戸籍一式が提出されると、法務局の担当官が内容を確認・照合します。書類に不備がある場合は補正の連絡が来ます。

ステップ5 認証文付きの写しを受け取る

問題がなければ、認証文入りの写しが交付されます。提出した戸籍一式は原本が返却されます。

処理期間は法務局の混雑状況や申出内容によりますが、問題がなければ1週間前後で交付されることもあります。郵送申出の場合は往復の郵送期間も加わります。戸籍収集から始める場合は、本籍地の数や相続関係の複雑さによってさらに時間がかかることがあります。相続登記や預金解約を急ぐ場合は、早めに準備を進めることをおすすめします。

どんな手続きで使えるか

不動産関係
相続登記の申請時に、戸籍一式の代わりとして提出できます。
金融機関関係
預金の払戻し・名義変更・解約の手続きで使用できます。
税務関係
相続税の申告時に、相続人を証明する書類として使用できます。
年金・保険関係
未支給年金の請求や遺族年金の請求手続きで使用できます。生命保険会社でも対応が広がっています。
その他
自動車の名義変更(運輸支局での手続き)などでも使用できます。
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使えない・注意が必要な場面

法定相続情報一覧図が相続登記、預金の払戻し、相続税申告、年金・保険手続き、自動車の名義変更などで使える一方、遺産分割協議書や印鑑証明書など別途必要な書類があることを整理した図

法定相続情報一覧図だけでは、相続手続きは完了しない

法定相続情報一覧図は、あくまで「誰が相続人か」を証明する書類です。

そのため、法定相続情報一覧図があっても、次の書類は別途必要になります。

  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 相続放棄申述受理証明書(相続放棄をした人がいる場合)
  • 固定資産評価証明書
  • 登記申請書
  • 金融機関所定の相続届
  • 本人確認書類

「法定相続情報一覧図を取れば手続きが全部終わる」わけではありません。「戸籍の束を毎回出さなくて済むようにする書類」と考えるとわかりやすいです。

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相続放棄した人がいる場合

相続放棄をした人がいても、一覧図には「相続人」として名前が記載されたままになります。相続放棄の事実を証明するには、家庭裁判所の相続放棄申述受理通知書や申述受理証明書などが別途必要になります。

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相続欠格・廃除がある場合

通常の相続ではあまり多くありませんが、相続人の資格自体が問題になるケースでは注意が必要です。

相続欠格(民法891条)とは、相続人が被相続人を殺害しようとした場合や遺言に関する不正を行った場合などに、法律上当然に相続権を失うことをいいます。廃除(民法892条)とは、被相続人が家庭裁判所に申し立てることで、特定の相続人の相続権を失わせる手続きです。

廃除は家庭裁判所の審判を経て戸籍に記載されるため、戸籍を正確に読み取れば確認できる可能性があります。

一方、相続欠格は戸籍に記載されません。 そのため、欠格事由がある場合でも、法定相続情報一覧図には欠格者が相続人として記載されたまま作成されてしまいます。一覧図の記載内容だけを見ても、欠格の事実はわかりません。

そのため、一覧図の記載内容をそのまま前提にして手続きを進めると、相続人の範囲を誤るリスクがあります。少しでも親族間でのトラブルや特殊な事情がある場合は、一覧図の作成前に司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

一部の金融機関・特殊なケース

ごく一部の金融機関では、今でも戸籍原本の提示を求めるケースが残っています。また、数次相続(相続手続きの途中でさらに別の相続が発生しているケース)では、作成方法が通常と異なります。

法定相続情報一覧図は自分で取得できるか

自分で進めやすいケース

次のような場合であれば、ご自身で申出できる可能性があります。

  • 相続人が配偶者と子だけのシンプルな構成
  • 戸籍の通数が少なく、本籍地の移動も少ない
  • 平日に法務局・役所へ行く時間が確保できる

途中で詰まりやすいケース

一方、次のような場合は、途中で手続きが止まることが多くなります。

  • 兄弟姉妹が相続人になる
  • 代襲相続・数次相続が発生している
  • 転籍や改製原戸籍が多く、戸籍のつながりが分かりにくい
  • 相続人の人数が多い
  • 相続放棄・欠格・廃除が関係している可能性がある
  • 不動産の相続登記も同時に進めたい
  • 銀行・証券会社・保険会社など複数の手続きがある
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法定相続情報一覧図は無料で取得できる制度ですが、前提となる戸籍収集や相続関係の確認を誤ると、その後の相続登記や預金解約にも影響します。

よくあるのが、「一覧図を作成して提出したが、戸籍の不足や記載ミスで補正になり、1〜2週間手続きが遅れるケース」です。特に兄弟姉妹相続や数次相続では、この補正が複数回発生することもあります。千葉市で相続手続きを進めている方からも、「戸籍は集めたが一覧図で止まった」というご相談を多くいただきます。

「戸籍は集めたが、相続人の確定に不安がある」「一覧図の書き方が合っているか分からない」「相続登記や預金解約までまとめて進めたい」という場合は、司法書士に相談することをおすすめします。

戸籍は集めたものの、一覧図の作成や法務局への申出で迷っている方は、当事務所へご相談ください。途中まで進めた状態からのご相談にも対応しています。
 一覧図の作成を相談する

よくある質問

Q 法定相続情報一覧図を取得すれば、戸籍はもう不要になりますか?

完全に不要になるわけではありません。申出時には戸籍一式が必要です。また、提出先によっては戸籍原本の確認を求められることもあります。申出後は戸籍一式が返却されますので、手続き全体が完了するまで大切に保管しておくことをおすすめします。

Q 有効期限はありますか?

法務局としての有効期限はありませんが、金融機関・証券会社・税務署などの提出先によっては「発行から3か月〜6か月以内」のものを求められる場合があります。提出先ごとに確認しておくと安心です。

Q 法定相続情報一覧図だけで預金解約できますか?

相続人を確認するための書類として使えますが、預金解約には金融機関所定の相続届・本人確認書類・印鑑証明書・遺産分割協議書などが別途必要になることがあります。一覧図は「戸籍の束の代わり」であり、それ単独で手続きが完了するものではありません。

Q 法定相続情報一覧図は誰が作成しますか?

申出人側で作成して法務局に提出します。法務局が一から作成してくれるわけではありません。作成した一覧図を法務局が戸籍と照合し、問題がなければ認証文付きの写しを交付します。

Q 何枚でも取得できますか?

申出時に枚数を指定すれば、何枚でも無料で取得できます。後から追加が必要になった場合も、改めて申出することができます。複数の手続きを同時に進める予定がある場合は、申出時にまとめて多めに取得しておくと効率的です。

Q 郵送でも申出できますか?

法務局への郵送申出に対応しています。申出書・戸籍一式・本人確認書類の写し・返信用封筒(切手貼付)を同封して送付します。書類に不備があると補正のやり取りが発生するため、余裕をもって申出することをおすすめします。

確認チェックリスト

  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍一式(謄本・除籍謄本・改製原戸籍)が揃っているか
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本を取得したか
  • 亡くなった方の住民票の除票を取得したか
  • 法務局のひな形をもとに、法定相続情報一覧図を正確な形式で作成したか
  • 申出先の法務局(管轄)を確認したか
  • 取得する枚数を、手続き数に合わせて決めたか
  • 相続放棄・相続欠格・廃除が関係するケースでないか確認したか
  • 各手続き先(金融機関・税務署など)の有効期限・書類要件を事前に確認したか
戸籍は集めたが、法定相続情報一覧図の作成・申出で止まっている方へ

「戸籍は集めたが、一覧図の書き方が分からない」「相続人の範囲が合っているか不安」「法務局から補正にならないか心配」という方は、当事務所へご相談ください。戸籍のチェックから一覧図の作成・法務局への申出代行まで、途中からのご依頼にも対応しています。

 法定相続情報一覧図の作成を相談する
戸籍収集から相続登記・預金解約まで、まとめて進めたい方へ

法定相続情報一覧図を取得するには、まず亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を正確に集める必要があります。当事務所では、戸籍収集・相続人調査・法定相続情報一覧図の作成・相続登記・預金解約のサポートまで、相続手続きをまとめてご相談いただけます。「何から手をつければよいか分からない」という段階でもお気軽にご連絡ください。

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