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[相続発生後の手続き]

相続で戸籍はどこまで必要?出生から死亡までの戸籍の集め方を司法書士が解説

  • 投稿:2026年05月22日
相続で戸籍はどこまで必要?出生から死亡までの戸籍の集め方を司法書士が解説

相続手続きで必要になる戸籍の範囲について、出生から死亡までの戸籍が必要とされる理由、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違い、相続人のパターン別に必要となる戸籍の範囲を司法書士が解説します。広域交付制度の注意点や、戸籍収集でつまずきやすいポイントも紹介します。

戸籍を集めたのに「足りない」と言われることがあります

相続手続きを始めると、銀行や法務局から「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて用意してください」と言われることがあります。

「現在の戸籍謄本では足りないの?」「なぜそこまで遡る必要があるの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

実際に、こうした状況でご相談をいただくことがあります。

  • 現在の戸籍謄本だけを取って提出したら、除籍謄本・改製原戸籍も必要と言われた
  • 本籍地を順番に遡っていったところ、取得先が4〜5か所になってしまった
  • 古い戸籍の文字が読めず、次にどこの役所へ請求すればよいかわからなくなった
  • 相続登記や預金解約を進めたいのに、戸籍が不足していると言われて手続きが止まってしまった

戸籍の収集は、相続手続きの入口でありながら、多くの方がつまずく場所でもあります。

このコラムでは、なぜ出生から死亡までの戸籍が必要なのか、どの種類の戸籍が必要なのか、相続人のパターンによって範囲がどう変わるのかを整理して解説します。

まず「どこまで必要か」だけ確認したい方へ

戸籍が必要な範囲は、誰が相続人になるかで決まります。

相続人のパターン必要な戸籍の範囲
配偶者・子亡くなった方の出生から死亡までの戸籍一式
兄弟姉妹上記+両親の出生から死亡までの戸籍
甥・姪(代襲相続)上記+亡くなった兄弟姉妹の戸籍

いずれのケースでも、相続人全員の現在の戸籍謄本も別途必要になります。

詳しい理由と取得の流れは、以下で順番に解説します。

なぜ「出生から死亡まで」の戸籍が必要なのか

相続手続きでは、「誰が相続人か」を正確に確定しなければなりません。

現在の家族関係だけを見ても、相続人全員を把握できるとは限りません。亡くなった方に前婚の子がいたり、認知した子がいたりする場合、現在の戸籍には記載されていないことがあります。

出生から死亡までの戸籍を順番に確認することで、婚姻・離婚・子の出生や認知・養子縁組・転籍などの履歴をたどり、相続人全員を確定することができます。

つまり、戸籍を集める目的は「死亡の事実を確認するため」だけではありません。「ほかに相続人がいないか」を確認するために必要なのです。

銀行・法務局・保険会社などが戸籍一式を求めるのは、相続人を正確に確認しないまま手続きを進めることができないためです。

相続で必要になる戸籍の種類

相続手続きで必要になる現在戸籍、除籍謄本、改製原戸籍の違いを整理した図

相続手続きでは、主に以下の3種類の戸籍を揃える必要があります。

戸籍の種類概要注意点
戸籍謄本(現在の戸籍)死亡の記載がある最新の戸籍ここを起点に、過去へ順番に遡っていく
除籍謄本転籍・婚姻・死亡などで全員がいなくなった戸籍婚姻・転籍の履歴を確認するために必要
改製原戸籍謄本法律改正・コンピュータ化前の古い様式の戸籍取り忘れが最も多い。改製前の婚姻・認知などがここにしか記載されていないことがある

特に注意が必要なのは改製原戸籍です。役所の窓口で「戸籍謄本をください」とだけ伝えると、現在の戸籍だけが交付され、相続手続きに必要な古い戸籍まで揃わないことがあります。現在の戸籍には改製前のすべての情報が引き継がれているわけではないため、出生まで遡るには改製原戸籍の取得が必要です。法務局や銀行への提出後に「改製原戸籍が足りない」と言われる原因の一つになっています。

相続人のパターン別|必要な戸籍の範囲

配偶者・子が相続人の場合

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍一式が基本です。他に子がいないか、認知した子や養子がいないかを確認するために必要です。あわせて、相続人全員の現在の戸籍謄本も必要になります。

親・祖父母が相続人の場合

亡くなった方に子がいない場合、親や祖父母などの直系尊属が相続人になります。亡くなった方に子がいないことを確認したうえで、親との関係を戸籍で証明する必要があります。

兄弟姉妹が相続人の場合

亡くなった方に子がおらず、親・祖父母もすでに亡くなっている場合、兄弟姉妹が相続人になります。

この場合、亡くなった方本人の戸籍だけでは足りません。次の点を戸籍で証明する必要があります。

  • 亡くなった方に子がいないこと
  • 父母がすでに亡くなっていること(父母の出生から死亡までの戸籍が必要)
  • 兄弟姉妹が誰なのか

そのため、配偶者・子が相続人になるケースよりも戸籍の量が大幅に増えます。

甥・姪が相続人の場合(代襲相続)

兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、その子である甥・姪が代襲相続人になります。亡くなった兄弟姉妹の戸籍も確認する必要があるため、収集範囲はさらに広がります。

兄弟姉妹相続・甥姪相続では、戸籍の通数が多くなりやすく、途中で収集が止まってしまうケースも少なくありません。

戸籍はどこから取得する?順番の基本

相続で戸籍を死亡時の戸籍から出生時の戸籍まで順番にさかのぼって取得する流れを示した図

戸籍は「死亡時(現在)から出生時(過去)へ」向かって順番に遡っていくのが基本です。

  1. 死亡時の本籍地で、最新の戸籍(死亡の記載があるもの)を取得する
  2. 取得した戸籍に記載されている「従前戸籍」や「編製理由」を確認し、1つ前の本籍地を特定する
  3. その本籍地の役所へ請求し、さらに前の戸籍を取得する
  4. 出生時の戸籍にたどり着くまで、2〜3を繰り返す

転籍・婚姻・離婚などで本籍地が変わっている場合、取得先が複数の市区町村にわたります。取得先の順番を把握しながら進めないと、取り忘れや重複が起きやすくなります。

令和6年から、戸籍の広域交付が始まりました

以前は、戸籍は本籍地の市区町村役場にそれぞれ請求する必要がありました。令和6年3月1日から戸籍証明書等の広域交付制度が始まり、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍謄本・除籍謄本を請求できるようになりました。

戸籍の広域交付で本籍地以外の窓口でも請求できるようになった点と、郵送請求や古い戸籍などの注意点を整理した図

ただし、相続実務の現場では以下の点に注意が必要です。

窓口での対応に時間がかかることがある 出生から死亡まで遡るような請求では、役所側での確認作業に時間がかかります。窓口で1〜2時間以上待たされたり、「本日はここまでしか交付できないため、残りは後日または郵送請求で」と案内されたりするケースが少なくありません。

すべての戸籍が広域交付の対象になるわけではない コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は対象外です。結局、該当の自治体へ個別に郵送請求が必要になる場合があります。

請求できる範囲に制限がある 郵送請求・代理人請求では利用できない場合があります。また、兄弟姉妹の戸籍など、請求できる範囲にも制限があります。

広域交付が特に役立つのは、配偶者・子が相続人で本籍地が少ないケースです。一方、兄弟姉妹相続や甥姪相続のように戸籍の範囲が広がるケースでは、制限に引っかかる場面が出やすくなります。

広域交付によって戸籍は取りやすくなりましたが、取得した戸籍を読んで、次にどの戸籍が必要かを判断する作業は変わりません。 戸籍を取得できたことと、相続手続きに必要な戸籍がすべて揃ったこととは、別に確認する必要があります。

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戸籍収集でつまずきやすいポイント

改製原戸籍の取り忘れ

現在の戸籍だけでは確認できない婚姻・認知・転籍などの情報が、改製原戸籍に記載されていることがあります。法務局や銀行に提出した後に「改製原戸籍が足りない」と言われ、取り直しになるケースがあります。

本籍地が何か所にもなる

転籍・婚姻・離婚などで本籍地が変わっている場合、順番に遡りながら各市区町村へ請求する必要があります。転居を繰り返していた方では、取得先が5か所以上になることもあります。

古い戸籍の文字が読みにくい

昭和初期以前の戸籍は、手書きの崩し字や旧字体で記載されていることがあります。記載内容を読み間違えると、次の取得先を誤ったり、相続人の確認を誤ったりするリスクがあります。

古い除籍が取得できないことがある

保存期間の関係で、古い除籍謄本が取得できないことがあります。この場合でも、すぐに手続きができないと決まるわけではありません。市区町村で交付される廃棄証明書や、他の戸籍資料で補える場合がありますので、専門家に確認することをおすすめします。

法定相続情報一覧図を使うと、手続きが楽になります

戸籍一式が揃ったら、法務局に申出をすることで「法定相続情報一覧図」の写しを取得できます。

法定相続情報一覧図とは、戸籍の内容をもとに相続関係を一覧にまとめた公的な書類です。相続登記・預金の払戻し・相続税申告・年金手続きなど、さまざまな場面で活用できます。

複数の銀行や証券会社の手続きが重なる場合、戸籍一式を何度も提出・返却してもらうより、法定相続情報一覧図を複数枚取得しておく方がスムーズに進みます。

なお、法定相続情報一覧図の申出にも、最初に戸籍一式を正確に揃える必要があります。戸籍が不足している状態では、一覧図の作成自体も進みません。

戸籍が1通でも不足していると、相続登記・預金解約・保険金請求などの手続きは先に進みません。自分で集め始めたものの「これで足りているのかわからない」「途中から先を任せたい」という段階でも、ご相談いただける場合があります。

銀行・法務局から「戸籍が足りない」と言われた方へ

現在の戸籍だけでは、相続手続きに必要な戸籍が揃っていないことがあります。改製原戸籍や除籍謄本、本籍地を遡った戸籍が必要になる場合もあります。「どこの戸籍を追加で取ればよいかわからない」「これで足りているか確認したい」という段階でもご相談いただけます。当事務所では、戸籍収集の途中からの引き継ぎや代行から、相続人調査・相続登記・預金解約の手続きまで一括してサポートしています。

 戸籍が足りているか確認してもらう

よくある質問

戸籍はどこで取得できますか?

本籍地の市区町村窓口で取得します。令和6年3月から始まった広域交付制度により、本籍地以外の窓口でも請求できる場合があります。ただし郵送請求・代理人請求は原則として広域交付の対象外です。遠方への郵送請求では、申請書・定額小為替・本人確認書類のコピー・返信用封筒を同封して請求します。

戸籍は何通くらい必要になりますか?

相続人のパターンや、亡くなった方の転籍・婚姻歴によって異なります。配偶者・子が相続人の場合で数通〜10通前後になることが多く、兄弟姉妹相続や甥姪相続ではさらに増えることが一般的です。本籍地が多い場合や改製原戸籍が複数ある場合は、通数が多くなりやすい傾向があります。

改製原戸籍は必ず必要ですか?

ほとんどのケースで必要です。現在の戸籍だけでは確認できない婚姻・認知・転籍などの情報が改製原戸籍に含まれていることがあり、出生まで遡るには取得が必要です。

兄弟姉妹が相続人になる場合、戸籍は増えますか?

大幅に増えることが一般的です。亡くなった方に子がいないこと・両親がすでに亡くなっていること・兄弟姉妹が誰なのかを確認するために、両親の戸籍まで遡る必要があります。亡くなった兄弟姉妹がいる場合は、その方の戸籍も必要です。

戸籍を複数の手続きで使い回せますか?

法定相続情報一覧図を取得しておくと、相続登記・預金払戻し・相続税申告・年金手続きなどで活用できます。複数の手続きを同時に進める場合は、戸籍の原本を繰り返し提出するよりも効率的です。

まずここから確認しましょう

  • 亡くなった方の死亡時の本籍地を確認したか
  • 現在の戸籍だけでなく、除籍謄本・改製原戸籍が必要か確認したか
  • 転籍・婚姻・離婚で本籍地が変わっている場合、取得先をすべて把握しているか
  • 相続人が配偶者・子か、兄弟姉妹・甥姪かによって必要な戸籍の範囲を確認したか
  • 広域交付で対応できる戸籍と、個別請求が必要な戸籍を整理したか
  • 複数の手続きがある場合、法定相続情報一覧図の活用を検討したか
戸籍収集から相続手続きまで、吉原合同事務所へご相談ください

戸籍の収集は、相続手続きの出発点です。必要な戸籍が不足していると、相続登記・預金解約・保険金請求などの手続きが途中で止まってしまうことがあります。

「どこの戸籍を取ればよいかわからない」「法務局から戸籍が足りないと言われた」「戸籍収集から登記まで一括して任せたい」という段階でもご相談いただけます。当事務所では、戸籍収集の代行から相続人調査・相続登記・預金解約の手続きまで一括してサポートしています。

千葉市緑区・千葉市内・周辺地域で相続手続きにお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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