司法書士
吉原有規
司法書士吉原合同事務所代表。
モットーは「納得できる相続を増やす」こと。相続専門の司法書士として、誰に相談したらよいかわからない悩みを丁寧にお聞きし、一緒にベストな解決策を考えることで、「納得の相続」を増やしていくことを目指している。
趣味は旅行とグルメ。自分の直感で選ぶと大体失敗することから、旅の前には情報を徹底的に調べ、実際に行った人の声や情報を参考にしながら評価が高いところを巡っている。
[生前対策]
遺言書は「書いたから安心」ではなく、「実際に使えるかどうか」が重要です。
形式のミスや曖昧な表現があると、相続手続きで使えないケースも少なくありません。
本記事では、遺言書が無効になる典型的なNG例と、失敗しないためのポイントを実務目線で解説します。
目次
遺言書の書き方において一番問題になるのは、「書いた本人は安心しているのに、残された家族が手続きで使えない」という状態です。
せっかく時間をかけて準備しても、形式や内容に問題があると、相続の現場ではそのまま使えないことがあります。
結果として、遺言書があるにもかかわらず、改めて相続人全員で話し合いが必要になるケースも少なくありません。
遺言書は「書いたこと」ではなく、「実際に使えること」に意味があります。
自筆証書遺言には、法律上の明確な要件があります。
・日付が特定できること
・本人の署名があること
・押印があること
これらの要件を満たしていない場合、遺言書としての効力が認められない可能性があります。
内容がどれだけ本人の意思に沿っていても、形式に不備があれば手続きで止まってしまうのが実務です。
「令和○年○月吉日」といった書き方では、日付が特定できません。
遺言書は作成時期が重要になるため、この点で問題になることがあります。
財産目録は例外がありますが、本文は自筆で作成する必要があります。
パソコンで作成した場合、自筆証書遺言としての要件を満たさない可能性があります。
「長男に任せる」といった表現では、
・相続させるのか
・管理させるのか
が不明確です。
このような表現は、相続人間の解釈の違いを生み、結果としてトラブルの原因になります。
「自宅」などの表現では足りません。
登記簿どおりの地番や家屋番号で特定しないと、名義変更手続きが進まないことがあります。
千葉県内でも、自筆の遺言書が原因で手続きが止まるケースは少なくありません。
例えば、
・押印の方法が不適切だった
・不動産の記載が曖昧だった
・相続内容が具体的に定められていなかった
といった理由で、遺言書があるにもかかわらず、そのままでは手続きができなかった事例があります。
結果として、相続人全員で改めて遺産分割協議を行うことになり、手続きに時間がかかったケースもあります。
自筆証書遺言は自分で準備できる反面、以下のリスクがあります。
形式ミス
わずかな記載不備でも無効になる可能性があります。
解釈のズレ
金融機関や法務局で受理されない内容になっている場合があります。
保管の問題
見つからない、または適切に管理されないリスクがあります。
遺言書の内容が整っていても、不動産側に問題があると手続きは進みません。
・未登記の建物がある
・境界が確定していない
・名義が古いままになっている
こうした状態では、遺言書だけでは解決できず、別途整理が必要になります。
遺言書の作成とあわせて、不動産の状況も確認しておくことが重要です。
参考にはなりますが、個別の事情までは反映されません。
特に不動産がある場合は、登記情報に合わせた内容にする必要があります。
形式の問題は解決しません。
また、自筆証書遺言は開封方法にもルールがあるため注意が必要です。
遺言書は、
・形式が整っていること
・内容が具体的であること
・実際の手続きで使えること
この3点がそろって初めて意味を持ちます。
どれか一つでも欠けていると、相続の場面で機能しない可能性があります。
吉原合同事務所では、
・自筆遺言の内容チェック
・公正証書遺言の作成サポート
・不動産の事前整理
をまとめてご相談いただけます。
昨年も、自筆遺言を見直すことで、相続手続きの混乱を防げたケースが複数ありました。
「この内容で大丈夫か」と不安がある段階で確認しておくことが、結果として最も確実です。
ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問合せください。
専門スタッフが丁寧に対応いたします。
対応地域
千葉市を中心とした千葉県全域