司法書士
吉原有規
司法書士吉原合同事務所代表。
モットーは「納得できる相続を増やす」こと。相続専門の司法書士として、誰に相談したらよいかわからない悩みを丁寧にお聞きし、一緒にベストな解決策を考えることで、「納得の相続」を増やしていくことを目指している。
趣味は旅行とグルメ。自分の直感で選ぶと大体失敗することから、旅の前には情報を徹底的に調べ、実際に行った人の声や情報を参考にしながら評価が高いところを巡っている。
[生前対策]
家族信託は有効な制度ですが、すべてのケースに適しているわけではありません。
本記事では、家族信託が向いている人・やめた方がいいケースを実務目線で解説し、導入前に判断すべきポイントを整理します。
制度のメリットだけでなく、運用負担や失敗事例も踏まえて、後悔しない選択のための考え方を紹介します。
目次
「家族信託がいいと聞いたけど、うちでもやった方がいいんですか?」
最近とても増えているご相談です。
ただ結論から言うと、家族信託は万能ではありません。むしろ向いていないケースもはっきり存在します。
実務では、
「とりあえず信託を組めば安心」と思って始めてしまい、
後から管理が回らなくなる・使えない・意味がないというケースも見てきました。
この記事では、やるべき人とやめた方がいい人をはっきり分けて解説します。
家族信託は、元気なうちに家族へ財産管理の権限を渡しておく仕組みです。
認知症などで判断能力が低下しても
・不動産を売却できる
・預金を動かせる
・資産管理を継続できる
という点が大きなメリットです。
ただし、「作れば終わり」ではなく、作った後の運用がすべてです。
財産が預金中心であれば、無理に信託を使う必要はありません。
・遺言
・任意後見
で十分対応できるケースも多いです。
信託はあくまで「動かす必要がある資産(不動産など)」がある場合に有効です。
家族信託は「家族への信頼」が前提です。
・兄弟間で意見が合わない
・特定の人に任せると不満が出る
・将来揉めそうな雰囲気がある
このような場合は、逆にトラブルの火種になります。
信託は便利ですが、感情問題を解決する制度ではありません。
ここが一番多い失敗です。
信託をすると、受託者は
・通帳管理
・収支管理
・記録の保存
を継続的に行う必要があります。
実際には
・忙しくて放置
・帳簿がつけられない
・何をしていいかわからない
というケースが非常に多く、結果として「作っただけで機能しない信託」になります。
家族信託は
・設計
・契約書作成
・登記
といった初期コストがかかります。
さらに運用も含めると、「そこまでしなくてもよかった」というケースもあります。
目的が曖昧なまま導入すると、費用対効果が合いません。
これは危険です。
・何のための信託か不明確
・誰のための仕組みか曖昧
・将来の使い道が決まっていない
この状態で作ると、ほぼ確実に機能しません。
例えば
・施設入所資金を確保したい
・将来売却する前提
・収益物件を管理する必要がある
こういった場合、信託は非常に有効です。
認知症後でも売却できるかどうかは、家族信託があるかどうかで大きく変わります。
家族信託の最大の価値はここです。
・資産凍結を防ぐ
・柔軟な財産管理ができる
成年後見と違い、自由度が高いのが特徴です。
・責任感がある
・事務作業が苦ではない
・長期的に対応できる
こういった方がいる場合は、信託がしっかり機能します。
千葉市内でも実際にあったケースです。
・とりあえず家族信託を組成
・受託者が管理を放置
・通帳や収支が不明
・売却時に再整理が必要
結果として
・追加の専門家費用
・手続きのやり直し
・時間ロス
となり、「やらない方がよかった」という状態になりました。
家族信託は制度としては優秀ですが、設計を誤ると機能しません。
特に重要なのは
・誰が管理するか
・どこまで管理するか
・どうやって運用するか
です。
当事務所では「作れるか」ではなく「ちゃんと回るか」を基準に判断します。
具体的には
・管理が複雑にならない設計
・家族が無理なく運用できる仕組み
・将来の売却や登記まで見据えた構成
まで含めて設計しています。
そのため、運用で破綻するケースはほとんどありません。
千葉市・市原市・四街道市周辺では
・自宅と土地の資産構成
・子どもが遠方在住
・将来売却前提
といったケースが多く、家族信託が向いているかどうかがはっきり分かれます。
ここを間違えると、無駄なコストだけがかかる結果になります。
状況次第です。全員に必要な制度ではありません。
可能ですが、手続きや費用がかかるため簡単ではありません。
家族信託は
・強力な制度
・ただし使いどころが重要
です。
向いていないケースで導入すると
・管理できない
・コストだけかかる
・結局使えない
という結果になります。
家族信託は
・相続
・不動産
・管理運用
がすべて絡む制度です。
当事務所では、信託を前提にするのではなく
・本当に必要か
・他の方法の方が適切か
も含めて判断しています。
昨年も、信託ではなく遺言など別の方法を選んだことで、コストと手間を抑えられたケースが複数あります。
逆に、信託が適しているケースでは、スムーズに売却や資産管理につながっています。
「やるべきかどうか分からない」
この段階での相談が一番重要です。
状況を整理するだけでも、将来の負担は大きく変わります。
ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問合せください。
専門スタッフが丁寧に対応いたします。
対応地域
千葉市を中心とした千葉県全域