司法書士
吉原有規
司法書士吉原合同事務所代表。
モットーは「納得できる相続を増やす」こと。相続専門の司法書士として、誰に相談したらよいかわからない悩みを丁寧にお聞きし、一緒にベストな解決策を考えることで、「納得の相続」を増やしていくことを目指している。
趣味は旅行とグルメ。自分の直感で選ぶと大体失敗することから、旅の前には情報を徹底的に調べ、実際に行った人の声や情報を参考にしながら評価が高いところを巡っている。
[相続発生後の手続き]
相続放棄ができなくなる「法定単純承認」とは何かをわかりやすく解説します。預金の引き出しや借金の返済など、やってはいけない行為とそのリスク、グレーゾーンの判断基準、「やってしまった」後の対処法まで、千葉の司法書士が解説します。
目次
一度でも財産に触れると、取り返しがつかなくなる可能性があります。
「良かれと思ってやった」「気づかずにやってしまった」——そういったご相談が後を絶ちません。放棄を少しでも考えているなら、何かをする前に、まず専門家へ確認してください。
まずは状況を相談する(無料) TEL:043-312-3727(平日9〜18時)
相続放棄ができなくなることを、法律用語で**「法定単純承認」**といいます。
民法上、次のいずれかに該当すると、相続を承認したものとみなされます。
問題は、「処分」の範囲が思いのほか広いことです。以下の5つのケースを確認してください。
リスク:非常に高い
故人の銀行口座から預金を引き出し、生活費・自分の借金返済・買い物などに使った場合、ほぼ確実に法定単純承認とみなされます。放棄が認められなくなった時点で、故人の借金はすべてあなたが背負うことになります。
唯一グレーゾーンとされるのが「葬儀費用」への使用です。社会通念上認められた範囲での葬儀費用であれば問題にならないケースもありますが、金額・用途・領収書の有無によって判断が変わるため、自己判断は禁物です。
やってしまった方へ:引き出したお金に手をつけていない場合は、まだ余地がある可能性があります。すぐにご相談ください。
リスク:高い(法律上はグレー、実務上は払った瞬間に詰む)
「督促が来たから」「迷惑をかけたくないから」と、故人の借金を返済してしまうケースがあります。法律上は自分の固有財産から支払う行為が直ちに法定単純承認になるかどうかはグレーゾーンですが、一度でも支払うと「返済する意思がある」と債権者に判断され、その後の放棄が極めて難しくなります。
督促状が届いても、絶対にその場で払わないでください。「検討します」と伝えて、すぐに専門家へ相談することが唯一の正解です。
リスク:非常に高い
不動産・車・貴金属・家財道具などを売却・譲渡・廃棄する行為は、財産の処分にあたります。
「片付けのつもりでやってしまった」というご相談が非常に多いです。実際、相続発生後に実家を整理して家財を処分したことで、放棄ができなくなってしまったケースも少なくありません。特に注意が必要なのは次の行為です。
家の中のものを動かす前に、必ず専門家へ確認してください。
「もしかして、やってしまったかも」と思った方。まだ間に合う可能性があります。自己判断で諦める前に、状況をお聞かせください。
今の状況で放棄できるか確認する(無料) TEL:043-312-3727(平日9〜18時)
リスク:非常に高い
故人の財産を自分のために消費したり、他の相続人や債権者に知られないよう隠したりする行為は、法律上明確に法定単純承認の対象となります。
意図的でなくても、「気づかずに使っていた」「口座をそのまま使い続けていた」というケースも問題になることがあります。故人名義の口座・カード・サービスは、死亡後は一切使用しないことが原則です。
リスク:高い(ただし例外あり)
熟慮期間である3か月を、放棄も限定承認もせずに過ぎてしまった場合、原則として単純承認とみなされます。
ただし、このケースには例外があります。
「もっと早く相談すれば…」というケースも実際に少なくありません。「もう無理だ」と諦める前に、まず専門家へ状況をお話しください。
| 行為 | 判断の目安 |
|---|---|
| 葬儀費用に預金を使った | 金額・用途が常識的な範囲であれば問題になりにくい |
| 銀行口座を解約した(お金は使っていない) | 解約自体はセーフの可能性あり。お金の行方が重要 |
| クレジットカードを解約した | 基本的に問題なし(ポイント使用は注意) |
| 携帯電話を解約した | 基本的に問題なし(端末の売却は注意) |
| 形見分けで少額の品物を受け取った | 社会通念上の範囲内であれば問題になりにくい |
| 賃貸の解約・公共料金の精算をした | 財産の管理行為として認められる場合が多い |
いずれも最終的には個別事情によって判断が変わります。「たぶん大丈夫だろう」という自己判断が、後から取り返しのつかない結果につながるケースがあります。
→ 銀行・クレカ・携帯の詳細は「銀行口座・クレカ・携帯の解約は大丈夫?(具体的な判断基準を解説)」
行為の内容・時期・金額によっては、まだ放棄できる余地が残っているケースもあります。
ただし、放棄できなかった場合の現実は厳しいものです。故人に多額の借金があれば、それはそのままあなたの借金になります。督促・差押え・信用情報への影響——そうなる前に動けるかどうかが、すべてを左右します。
「もしかしてやってしまったかも」と思った瞬間に動くことが、唯一の対策です。今動けるかどうかで、結果が変わるケースは少なくありません。
Q. 形見分けをしてしまいましたが、放棄できますか?
社会通念上の範囲内(少額の私物など)であれば問題にならないケースが多いです。ただし高額な品物や貴金属は財産の処分にあたる可能性があります。個別の状況をご確認ください。
Q. 故人の家の片付けをしてしまいました。アウトですか?
何を処分したか・売却したかによって判断が異なります。「片付けのつもり」でも財産処分とみなされるケースがあるため、まず状況をお聞かせください。
Q. 相続放棄できないと判断された場合、どうすればいいですか?
「限定承認」という手続きがあります。プラスの財産の範囲内でのみ借金を返済するという方法で、家庭裁判所への申述が必要です。ただし相続人全員で行う必要があるなど条件があるため、専門家への相談が必須です。
Q. 放棄できるかどうか、相談だけでも可能ですか?
はい、もちろんです。「放棄できるかどうか」の判断だけでもご相談いただけます。費用が発生する前に方向性を整理できますので、まずはお気軽にご連絡ください。LINEから督促状などの写真を送っていただくだけでも、状況の確認が可能です。
「もしかしてやってしまったかも」という方も、まず状況をお聞かせください。状況をお聞きしたうえで今できる最善の対応を整理し、必要に応じて家庭裁判所への手続きまでサポートいたします。
時間が経つほど、選択肢は狭まります。今動けるかどうかで結果が変わるケースも少なくありません。
司法書士吉原合同事務所 TEL:043-312-3727(平日9〜18時) 初回相談無料 / 対応地域:千葉市を中心とした千葉県全域
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専門スタッフが丁寧に対応いたします。
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